その技術が、ブランド。

GOLD 加工

至難の業である、最小限の蝋材による蝋付け

至難の業である、最小限の蝋材による蝋付け

「蝋付け」とは金属を接合する加工法で、溶接の一種です。通常の蝋付けでは、母体よりも融点の低い蝋を溶かし接着剤として用いることで、母体を溶かさずに複数の部材を接合しています。しかし、K18は蝋材に同素材の金蝋を使用します。金は温度が拡散しやすい金属なので、蝋材が溶けると、母体も溶けて柔らかくなってしまいます。これを防ぐために、弊社では蝋材を最小限の量に留めながら蝋付けを実施します。蝋材をできるだけ使用せず、強度を落とさずに金の各パーツを接合させていくのは至難の業です。

精緻の業が活きた、極細リムの蝋付け

精緻の業が活きた、極細リムの蝋付け

弊社には、「G.M.S」という商品ブランドがあります。1933年9月に昭和天皇が福井の地へ訪れた記念に献上された「昭和天皇献上品」を復刻したビンテージシリーズです。そのラインナップのひとつに「999」という「G.M.S」のシンボル的商品があります。1933年に昭和天皇へ献上したフレームの復刻版で、様々な部分で困難を乗り越えて製造しましたが、特に極細リムの形成が大変でした。リムが細すぎるため、蝋付けの際に一瞬で溶けてしまうのです。厚みのバランスを考慮しながら、何とか蝋付けを実現しました。

異素材との接合に挑戦

異素材との接合に挑戦

「999」の商品製造の過程では、金とβチタンの接合に挑戦しました。それぞれ溶ける温度(融点)が大きく異なる金とβチタンを接合するために、海外に先駆けて開発した形状記憶合金と他合金の接合技術を導入。蝋付けに成功しました。この技術は、かつてない割合の金の商品の開発にも展開し、新しい市場を生み出すことにもつながっています。